「働きやすい職場」とはいったいどんな職場を言うのでしょうか?
働く人たちの働きやすさや、働き甲斐を実現することに取り組む企業が企業業績を伸ばし、女性活躍や処遇の改善も進んでいるケースが多くみられます。
さてそこで、働き方改革、ワークライフバランスなど職場環境を見直す動きが社会全体で増えてきていますが、具体的にはどんな職場がよいとされているのでしょうか。
アンケート調査等によると、次のような項目が上位にきています。
・職場の人間関係が良好である
・休暇が取りやすい
・福利厚生が充実している
・働く時間が適切である
・育児や介護の両立ができる
こうしてみると、必ずしも高賃金だけが良い職場という評価にはなっていないことが見て取れます。
働きやすい職場を作ることでどんなメリットがあるでしょうか?
従業員の働く意欲が上がり、離職率が下がり、企業にとって業績が上がりやすい状況になると思います。また、企業のイメージも良くなり、採用もしやすくなるのではないでしょうか。
職場の良好な人間関係は、風通しの良い、雰囲気の良い職場になります。
人間関係によるストレスが少なくなり心身の健康を保つことができます。気軽に相談できる相手がいることで、仕事の悩みも解決でき、抱え込まずに仕事に取り組めると思います。仕事のスピードアップや効率アップにもつながるのではないでしょうか。また、適切な人事評価がある会社では、目指すべきものが見える化されることで従業員のモチベーションがアップし、会社の業績アップや評価にもつながると思います。さらに社員教育がしっかりしている会社は、従業員の能力を高めるだけでなく、コミュニケーションが取りやすくなり、円滑な職場環境が期待できます。
職場におけるいじめや、嫌がらせ、ハラスメントは年々増加傾向にあり、退職の主な原因にもなっています。どの会社でも起こり得る問題ですが、問題を放置せずに方針や対策を掲げ、周知することが重要です。実際にハラスメントに関する講習や研修会を行った企業では、実施前に比べハラスメントへの意識が高まり、相手を尊重しながら業務に取り組むようになった事例もあります。また定期的なアンケート調査の実施や専門家による相談窓口の設置など、ハラスメント対策は様々な形で行うことができます。このような取り組みは、問題の未然防止や抑制になり、精神的なストレスや心の病に悩まされず健康的に職場で能力を発揮できると思います。
福利厚生が充実していると従業員を大切に思ってくれていることが伝わり、従業員の勤労意欲が高まります。施設の充実に限らず、例えば特別な休暇制度や自己啓発の支援制度など、様々な制度があると個々のニーズに対応できるのではないでしょうか。また実際に活用することで仕事と家庭の両立や、経済的負担の軽減といったメリットにより、より会社へ貢献しようとする気持ちも高まると思われます。
残業が少なく適正に休みがとれる環境も、働きやすい職場と言えるでしょう。しっかり休めることで、従業員は高いパフォーマンスで仕事に取り組むことができ、プライベートとの両立もしやすくなります。
テレワーク制度やフレックスタイム制度の導入も検討してみてはいかがでしょうか。職種によってはどうしても出社しないとできない作業があると思いますが、パソコンを使った作業を行う社員は、リモート出社という方法も可能です。テレワーク制度は、通勤困難な障がい者や家事の合間に自宅で働きたい方などの雇用の幅も広げることができます。社員にとっても子育てや介護をしながら働き続けることができることや、やむを得ない引っ越しなどがあっても働くことができるので優秀な人材を手放すことなく、企業側にもメリットが大きい制度です。
働きやすい職場を作るには、適切な雇用管理も必要です。
働き方改革により様々な法改正が行われています。法改正に対応しながら、自社に合った取り組みを検討し、より働きやすい職場環境の形成に力を入れてみてください。また、そういった取り組みや制度の導入等に関して助成金を活用できる場合もありますので、どんなものが自社に合っているのか一度調べてみると良いと思います。
令和4年12月寄稿