家庭は教育の原点であり、すべての教育の出発点です。しかし、仕事や日常の忙しさの中で、子育てや家庭教育について学ぶ機会はそれほど多くはないようです。そこで、県教育委員会では、事業所を訪問して「家庭教育出前講座」を実施しています。
今回は、特集「家庭教育出前講座」の1回目。「株式会社髙田地研(寒河江市)」で実施した講座の様子を御紹介いたします。髙田地研は、安全研修などの社内研修を積極的に行っている企業です。今回は子どもを持つ父親を対象に、貴重な就業時間の中で講演会を実施していただきました。
◆講演
演題「未来を生きる子どもの育て方」
~子どもの成長を支える父親力を磨こう~
講師 県家庭教育アドバイザー 佐藤 節子 氏
小学校教諭、山形県教育センター指導主事、山形大学教育実践
研究科准教授を経て、山形市立西小学校校長で御退職されました。
現在は、山形大学大学院教育実践研究科教授として学生の指導に
あたっているほか、県スクールカウンセラー、県家庭教育アドバイザ
ーとして御活躍されています。20年以上、教育相談・カウンセリング
を学ばれ、「勇気づけの教育」を体験的に学ぶことを信条にしています。学校教育の現場での豊かな経験をもとに、発達段階に応じた子育てについてグループワークを交えながら、楽しくわかりやすくお話ししてくださいます。
◆内容
〇アイスブレイキング
ペア「あいこじゃんけん」・・・相手の気持ちにあわせる。
「我が子のいいところ紹介」・・・できていることがたくさんあるのに、欠けていることが気になる。
〇講話のポイント
①「心の土台」・・・好きだと言わなくても大事だという思いは伝わる。
②「アドラー心理学が教える子育て」・・・行動面の目標と精神面の目標
③「反映的な聴き方」・・・「ぼくできないよ」→「なんでできないの」は?
④「Iメッセージ」・・・「私は~と思う」「私は~と感じている」
誰も攻めず、感情的にならず、きっぱり伝える。
⑤「選択の余地を与えて、責任感を育てる」・・・自分で判断させ決定させる。自然の結末や論理的な結末を体験させる。
⑥「勇気づけの言葉」・・・過程を重視、肯定的な表現、1秒で伝えられる
勇気付けの言葉「ありがとう」「うれしい」「助かった」等
アドラー心理学が教える「褒める」「叱る」に代わる子育てについて、反映的な聴き方やIメッセージの送り方を「勇気づけの言葉」の具体的な例を挙げながらアドバイスをいただききました。参加者にとって、前向きに子育てに向かおうとする元気が出てくる講座となりました。
◆参加者の声から(アンケート)
・いつも欠点ばかり気にしすぎていたことに今さらながら気付きました。
・4歳の娘がいるが、これからの教育に生かせそうな内容の話を聞けて、とても良かったです。
・「勇気づけの言葉」ためになりました。実生活でも役立てたいです。
・短い時間でしたが、とても参考になりました。今度は兄弟の中の各々の関係についても教えていただきたいです。
・1時間といわず、2時間程度開催していただきたいと思いました。大変ためになる話だったので、また、参加したい
と思いました。
・貴重なお話をありがとうございました。この気付きを仕事に家庭に生かしていきたいと思います。
◇平成28年度「家庭教育出前講座」開催した事業所等(12箇所)
・山形市高校生の子を持つ親の会(山形市)
・ジョイングループ(山形市)
・日東ベスト株式会社(寒河江市)
・三和缶詰株式会社(中山町)
・大蔵村職員労働組合(大蔵村)
・真室川サポート企業組合(真室川町)
・有限会社熊谷園芸(鮭川村)
・米沢ヤクルト販売株式会社(米沢市)
・高畠ロータリークラブ(高畠町)
・順仁堂遊佐病院(遊佐町)
・株式会社エフ・ワン(庄内町)
・山形日産自動車販売労組(鶴岡市)
◇申し込み・問い合わせ先
・村山教育事務所社会教育課 TEL(0237) 86-8274 Fax(0237)86-8263
・最上教育事務所社会教育課 TEL(0233) 29-1441 Fax(0233)23-5573
・置賜教育事務所社会教育課 TEL(0238) 88-8242 Fax(0238)84-5700
・庄内教育事務所社会教育課 TEL(0235) 68-1983 Fax(0235)66-3015