企業インタビュー
山形市

株式会社ティスコ運輸

2100年のビジョンを描きながら女性活躍を進めております!
人材開発課
田村 拓也 氏

<会社概要>
〒990-2161 山形市漆山字大段1865番地5
電話:023-686-9860
資本金:2,400万円
設立:2000年1月
社員数:168名(男148名 女20名)  R3.10.8現在

会社の概要について教えてください


社員数は168名で、そのうち正社員が139名、非正規社員が29名となっています。女子社員は正社員と非正規社員合わせて20人で、うち、正社員が8名、パートが12名です。正社員はドライバーが1名、倉庫勤務が2名、事務が5名となっています。
パートの方については、ご家庭があるので短時間勤務の形を取っている方が多いですが、「子育てが終わって少し余裕ができたのでもう少し会社に貢献したい。」というお話があれば正社員への道も開いています。
当社は、このたび経営理念を浸透させるためにわかりやすくミッション・ビジョン・バリューで表現しました。当社のミッションは「想いを届ける」です。「想い」を届けた結果、地域の方や社会の課題解決のお役に立ちたいという理念を持った会社です。単に荷物を運ぶだけではなく、既存の物流の概念の変革を意識しながら事業を行っています。
具体的な事業内容としては、総合物流事業、ホームサービス事業、デジタルアーカイブ事業、不動産事業の4事業です。中でも総合物流事業が中心となります。「主に企業様向け」といったイメージや、「長距離ドライバー」のイメージがあるかと思われますが、「もう少しトラックを身近に感じていただきたい。」という想いがあり、ホームサービス事業部では引っ越しや、トラックを時間でレンタルなどのサービスをご提供させていただいています。もちろん、企業様向けの長距離輸送・地域内配送も行っています。1800坪の倉庫を所有しておりますので、フレキシブルな輸送・配送が可能です。このほか、紙媒体の書類を専門の機械でスキャンしてデータを納品するデジタルアーカイブ事業を行っております。書類の保管にお困りのお客様にご利用いただいております。この事業は山形大学と共同開発を行っております。大学からは古書や書物のスキャン方法をご指導いただき当社でスキャンし、得られた結果を山形大学にフィードバックして、よりよいスキャン方法の開発に繋げています。

他の企業がやってないところにニーズを見出していらっしゃいますね

代表の菅原が、地方のご高齢の方の孤独死や、物を片付けられずに怪我されるといった状況を危惧して、ご遺品の整理や介護ヘルパー有資格者が付き添ってのお引越しや、家の中の重量物の移動・ごみの片づけなどの事業を行っています。
単に荷物を運ぶだけではなく、お客様に価値を感じてもらって初めて必要とされるというところを意識しております。また、トラックは二酸化炭素の排出など環境を汚染する部分もありますので、環境も大切にして未来ある地域創生の架け橋になれるような存在でありたいと考えております。

学生のインターンシップを受入れているそうですが、どういったことをされていますか?

当社は、山形大学の低学年インターンシップを受け入れています。インターンシップでは、トラックの仕事ではなく倉庫管理やデジタルアーカイブの仕事を経験していただくほか、就職活動をするうえで必要な自己PRの力が身につくようにプレゼンの研修も行っています。私は採用面接も担当しているのですが、学生のみなさんには、「もっと自己PRできるのに」というもったいない印象を持っています。学生生活や就職活動で自身の考えをしっかりと表現できるように、「学生が会社に入って即戦力として何をやれるのか」や「社会人として一人前になるためのカリキュラム」を学生自身が考え、社長にプレゼンするといったカリキュラムにしています。
インターンシップには女子学生も参加していますが、「運輸・物流業界に怖かったイメージを持っていたけど、社会として必要な仕事で、みんなやさしく、かつ真剣に取り組んでいることがわかりました。」というお声をいただきました。
3日間のインターンシップを通して、最初は「質問ありますか?」と聞いても、全然なかったが、最終日に社長と話をするときには2時間ぐらい質問するようになるなど、プレゼンの研修を通して、自分の考えを伝えたり、行動に移すことができるようになったりと違いが顕著に現れていました。

女性の総合職も採用なさっていますね

令和2年4月採用で本社配車部配車係に配属している鈴木美姫さんですね。山形大学の学内企業説明会で、当社のことを知っていただいて、それをきっかけに入社に至っています。非常にハキハキして、やりたいことも明確な方で、そこが魅力で採用しております。
これからも大学生の女子学生を採用していきたいと考えておりまして、今年、神奈川大学の女子学生に内定を出しており、来年4月財務の総合職として入社いただくことになっております。また、女性に特化して募集をしているわけではないのですが、倉庫作業員についても女子高校生に内定を出しており、女性からの応募が非常に多い状況になっています。

女性が働きやすい職場環境づくりに向けた取組みを教えてください

 2100年になっても必要とされる人・会社になろうということで『ティスコ2100プロジェクト』を社内に立ち上げました。3つのプロジェクトからなるのですが、その中の一つに「女性活躍プロジェクト」があります。女性活躍プロジェクトは、岩手営業所長(女性)が中心となり社員4名で、来年度施行される女性活躍推進法に向けた検討を行っておりますが、プロジェクトの取組みとして、女性社員へのアンケートを実施しました。アンケート結果を踏まえ、女性専門の休憩室が無くお昼ごはんを食べた後やちょっとした時間に休憩する場所がないので、これからではあるのですが、社内を整理して女性専用休憩室を作ろうとなっています。また、健康経営優良法人の認定を当社で取得しようということで女性が中心になってミーティングを行っていて、男性社員に指示を出すといったこともあります。
このほか、県の男女共同参画センターチェリアさんから「女性も男性と同様に働く権利がある」といった内容の講義を全体会議でしていただいて、男性社員の理解を深める機会を作りました。

これから取り組みたいことを教えてください

小学生や中学生の社会科見学で当社を活用していただきたいと考えています。子どもは乗り物が好きだと思いますので、社会科見学や職場体験でご利用いただき、物流や運送業に興味を持ってもらいたいです。「山形にもいい企業、すごい企業がある。」というのをもっと知ってもらい、首都圏の方への人材流出も防ぎたいという想いがあります。また、高校生の就活イベントも当社の会議室でやりたいですね。突然「就活」という壁にぶち当たって、求人票の紙だけを見て会社を選んで入る、親の言う通り進む、という環境は大人としていいことではないと思っています。入る会社を選ぶ前に、いろいろな会社と接点を持てるようなイベントを山形でもやりたいとも思っています。何より中小だから、大手に負けているという状況も嫌ですし、首都圏ではベンチャー企業がすごく活躍しているイメージはありますけど、地方もそうなんだよっていうのを若い人にももっと知ってもらいたいです。

社員インタビュー

鈴木美姫さん 2020年入社 2年目

〇ティスコ運輸さんを選んだ理由について

私が当社を希望した理由は、大学の合同企業説明会で、先生から、私に合うんじゃないかとお話をいただき、当社のブースにお邪魔させていただいたのがきっかけです。
その際、物流以外にも業務を伸ばしているということをお聞きし、この会社にはいろんな選択肢があって、ここであれば私の力を伸ばせるのかなと感じたので希望しました。

〇合同企業説明会で話を聞いて物流業界への印象は変わりましたか?

もともと物流業界を希望しているわけではなかったのですが、お話を聞いて、トラックドライバーさんたちだけじゃないんだなっていうことを実感できましたし、ドライバーさんをサポートするという面でお仕事ができるんだというようにあらためて感じました。
私はそんなに、インターンとか会社見学に行ったわけではないんですが、合同企業説明会などで、気になった企業やお勧めしていただいた企業のブースにはお邪魔して話を聞きました。参加したことによって知らなかった企業を知ることができたり、自分が興味をそそられるようなこともありましたので、合同企業説明会に参加してよかったと思っています。

〇配車係のお仕事はどうですか?

まだドライバーさんたちにはご指導いただいているような状況ではありますが、そのドライバーさんたちが効率よく動けるようにシフトを組んだり、お客様のご希望にあった納品時間に合わせた配車を考えられるようになったので、仕事は慣れてきたのかなと感じています。

〇女性社員として会社のよいところを教えてください

まず一つは、社屋が綺麗なところですね。新しい社屋になってから2年目なのでここはポイントかなと思います。専務が女性なので、女性の視点からもいろいろと心配りいただいておりますので、その点でも当社は働きやすい環境にあると思います。
また、女性社員は多くないんですが、営業所の方も女性で、所長や所長代理としてご活躍されている方もいらっしゃいますので、女性だからと引け目を感じることなく活躍できる会社だと思っています。
パートの方とも、いろいろと業務の協力をしておりますし、何かあったときに協力するような体制は整っておりいい雰囲気で仕事できています。パートさんなどお子さんの病気などで急に休まなくてはならないときも、女性社員だけでなく男性社員も協力して対応していますので情報共有は怠らないようにしております。

〇山形で就職した理由を教えてください

山形が好きというのもあったんですが、性格的に都会でやっていけるのかなという心配もあったのと、大学で県内の歴史や文化遺産について研究していたこともあって、県内就職したいなあという意識でおりました。大学の先生に就職の面でいろいろとお世話になったときも、最近活躍されている県内企業について教えていただいていましたので、そういう企業を中心に受けていました。

〇後輩の女子学生に向けて一言お願いします

私の後にも、もう1人山大卒の女性社員が入っています。当社は女性が活躍する場を提供してくれる会社ですので、是非とも続いてくれたらとても嬉しいです。

 

菅原社長から女子学生に向けて一言お願いします

菅原茂秋社長
菅原茂秋社長

私どもは2030年までのSDGsに取り組む流れの中で、男女の垣根をなくしていこうと取り組んでおりますし、ティスコ2100プロジェクトで2100年のビジョンを描きながら、女性活躍推進を進めております。女性社員の比率についても2030年までには30%を目指していこうと取り組んでいるところです。活躍の場は用意させていただきたいと思っておりますので、我々のビジョンに賛同いただける方はぜひ当社にお越しください。

取材:令和3年10月