企業インタビュー
天童市

株式会社快筋堂

社員一丸となって「幸せになること」を 目指します。
代表取締役
横山 清 氏

<会社概要>
〒994-0084 天童市芳賀タウン南6-1-41
電 話:023-666-7678
資本金:200万円
設 立:2008年10月1日
社員数:17名(男5名 女12名) R4.7.22現在
はじめは一人でリラクゼーションサロンを起業し、平成20年10月1日に株式会社快筋堂を社員5名で設立しました。現在の店舗数は5店舗。社員数は、男性5名、女性12名の計17名、会員数は累計1万2000人まで増えました。

会社の概要を教えてください。


はじめは一人でリラクゼーションサロンを起業し、平成20年10月1日に株式会社快筋堂を社員5名で設立しました。現在の店舗数は5店舗。社員数は、男性5名、女性12名の計17名、会員数は累計1万2000人まで増えました。これは、地域のみなさまに支えられながら、常に社員教育を徹底することで、社員一人ひとりのスキルが向上し、社員が一丸となってお客様の喜びと満足を大事にする企業風土が定着した結果と思っております。
人生100年時代、健康一番!お仕事二番!の考えで、社員が気持ちよく笑顔で働ける職場づくりを徹底するとともに、お客様のニーズに合ったお店づくりに精進しています。リラクゼーションにとどまらない健康総合企業を目指し、デジタル技術を駆使して社員にとって働きやすく幸せを感じられる職場にすることで、顧客の満足度の向上につなげております。

新型コロナウイルスの流行により、どのような影響がありましたか。

2020年4月頃のコロナ発生当初は、お客様の動きが止まり、売上げも50%まで落ち込みました。しかし、発生当初に社員全員で休まず研修会を重ね、お客様に満足していただけるよう一丸となってスキルを向上させたことにより、今では売上げも順調に推移しております。こうした日々の取組みを通して、施術のスキルだけでなく社員同士の団結力がさらに増し、いい雰囲気を保つことができています。

働きやすい職場環境にするための取組みについて教えてください。

我が社では、働きやすい職場にするための「快筋堂施策」を掲げて取り組んでおります。
女性が多い職場ですので、女性が輝くいきいきとした職場をつくるため、「仕事と家庭の両立支援」を目指し、育児・介護等の社内制度を充実させ、活用しやすい仕組みづくりを行っています。出退勤は社員自ら入力することとし、残業、旅館出張などの記録に漏れがないようにしています。旅館出張の場合、その多くが時間外勤務となりますが、対応を希望する職員が自らLINEで申告し、私がそれを確認して対応してもらいます。このように社員が自ら入力または申告した内容に基づいてお給料を支払うという仕組みです。そうすることで、不払い残業を無くすことにつながっています。そして、それぞれが自分の仕事に自然と責任を持つようになり、モチベーションアップにつながっています。
また、上位職への積極的な登用とそのための育成支援として、指名制の導入により社員にやりがいを感じてもらうとともに、スキルアップ研修を充実させています。お客様から指名されると指名料が給料として受け取れます。これにより、勤務歴に関係なく実力で収入を上げることができるので、社員は仕事にやりがいを感じ、研修等を通して自己研鑽に励んでいます。こうして、仕事に対する高い意識の醸成を図っています。
社員教育の仕方も工夫しています。私一人で全社員の様子を見るのは難しいので、男性社員は男性の管理者、女性社員は女性の管理者に見てもらっています。新入社員は新入社員の中で経験を積んでいる方が教えています。入社後1ヶ月や2ヶ月の人には、入社後1週間、2週間の後輩を教育してもらいます。なぜかというと、自分の理解が不十分なところを後輩に聞かれると答えが出てこないじゃないですか。そうやって後輩に教えることによって、自分のわからないことを掘り起こして、成長につなげるという教育の仕方をベースにしています。

他にはない独自の取組みがあるようですね。

企業は社員を幸せにするためにあると思っています。また、企業が成長するには、社員一人ひとりが心の幸福感を高め、ポジティブで前向きな思考でいることが必要なので、そのためにどうすれば良いかを考えています。
社員の心の安定を図り、仕事に対する意識を向上させることを目的として、三行日記(業務日誌)とマインドスケール(心の可視化)というサービス(※注)を導入しています。三行日記は、社員全員が毎日記入する業務日誌です。マインドスケールは、脈拍や声の調子などを測定し、本人が感じているストレスを数値化するものです。これらを社員全員で習慣化したことで、その日の自分を振り返る機会となり、自分の成長が見えてくるようになります。幸せになるトレーニングです。
また、三行日記の内容やマインドスケールの測定結果をきっかけに、社員のちょっとした心の不調や変化が見えてきます。そうした場合は声がけしたり、話を聞いたりして、社員全員が笑顔で楽しく仕事ができる職場環境になるよう努めています。

【マインドスケールによる測定】
専用機器とスマートフォンで脈拍を測定する様子。
測定結果からストレスを可視化する。

※注 マインドスケール(MindScale)とは
MindScaleは株式会社Yume Cloud Japan(本社:山形県米沢市)が提供するオンラインによるストレスケアのサービス。脈拍や声の調子、表情等を測定し、ストレスの度合いや原因を科学的に分析。山形大学大学院理工学研究科等が監修。

Yume Cloud Japan WEBサイト:https://www.yume-cloud.com/

三行日記などの取組みを実施するにあたり、苦労されたことはありますか。

社員は、はじめは三行日記を記入する習慣がなかったため、入力しない人や、何を入力すれば良いかわからないという人がほとんどでした。そこで、簡単に、何でも入力していいよと言って、まずは入力してもらう習慣づけから始めました。一人では絶対に継続しない三行日記ですが、みんなで目的(幸せになること)をもって助け合うと何でも出来ます。人は弱いものなので、個人、管理者、社長の3段階で確認することで継続に繋げています。今では三行日記を書かないと変な気分だという社員もいます。

社長が作成した管理表で、出退勤や給与管理を社員に行ってもらっているのですね。

出退勤や給与管理だけでなく、個人の三行日記やマインドスケールについてもですが、デジタル化することで入力する方も管理する方もとても使いやすくなっています。それについては、労働基準監督署の方もびっくりしていました。私の基本的な考えとして、アンケート用紙などいろいろなものを紙で配るとごみになっちゃうんですよね。ですので、全てデジタルで、ピッと一押しで回答できるようなものを基本に考えています。例えば、何か質問に答えてもらうためのURLを送れば、全店舗からデータで回答が集まります。紙だと、店舗が多いので取りに行くのも大変じゃないですか。そういう時間と労力のロスをなくすために、可能な限りデジタル化しているんですよ。お客様のカルテもすべてデジタル化していて、全店舗で社員が瞬時に閲覧できるシステムを自分が好きで作りこんでいます。

職場の雰囲気や自慢できるところについて、女性社員の方の声をお聞かせください。

快筋堂は社員に対して『感謝』『笑』『和』を一番大切にして教育しております。リラクゼーションサービス業として、女性社員への気遣いは必要不可欠です。毎月トップミーティングを開催し、その様子を録画したものを社員がいつでも見られるように共有することで、末端の社員までミーティングの内容が伝わるようにしております。
(峯田真由美さん)
皆で運用するシステムが社員の幸福につながり、それがお客様のサービスに直結しております。私たちが決められたことを確実に実行することで、お客様から喜びの声が返ってくるので、すごく楽しく、やりがいを感じる毎日です。
(吉田明美さん)

今後、取り組もうと考えていることはありますか。

デジタル技術によって人を幸せにすることを目指します。職場での様々な場面でデジタル技術を活用し、業務効率化を図るとともに社員の仕事におけるネガティブな感情を低減させ、安心して働けるようにすること。それにより、社員がお客様に対して速やかに、かつポジティブな気持ちで向かうことができるようになること。このような、デジタル化により社員もお客様も満足できる会社を目指します。社員一丸となって幸せになるトレーニングをして、まずは自分自身が幸福を感じ、その後にお客様を幸せにする営業をしていきたいです。

取材:令和4年7月