お知らせ

年次有給休暇の計画的付与制度(計画年休)について

2023年2月20日

Q.
有給休暇をなかなか取得してくれない従業員がいます。最低でも年に5日は消化してもらわないと困るのですが、何か良い方法はありませんか。

A.
方法の1つとして、年次有給休暇の計画的付与制度(計画年休)を導入する方法があります。

年次有給休暇の計画的付与(以下、「計画年休」という。)とは、前もって休暇取得日を割り振る制度です。事前に休暇取得日が割り振られるため、従業員は休暇日を意識するとともに考慮してスケジュールを組むことになる、また、ためらいなく休暇を取得できるなど、年次有給休暇の取得率向上が期待されます。

計画年休の方式には、次のものがあります。
① 企業・事業所を休業にして全従業員に対して一斉に休暇を与える方式(一斉付与方式)
② グループ別等に交替で休暇を与える方式(交替制付与方式)
③ 誕生日や結婚記念日等に、あるいは計画表等を用いて、個別に休暇を与える方式(個人別付与方式)
企業や事業所の規模や業種、実態等に応じて、上記の方式を(組み合わせて)選択して適用します。

計画年休の導入には、就業規則による規定と労使協定の締結が必要になります。また、計画年休は、各従業員の保有する年次有給休暇の5日を超える部分に適用される(つまり、従業員が自由に取得できる年次有給休暇を最低5日は確保しなければなりません)ため、新規採用等で5日を超える年次有給休暇を保有していない従業員については、特別休暇を与える等の対応が必要です。さらに、計画年休は原則休暇日の変更はできず、休暇日を変更しなければならない事由が生じた場合には、所定の手続きが必要になります。

計画年休を上手く取り入れることにより、連休を大型連休に、あるいは飛び石連休を大型連休にするなど、従業員が喜ぶ運用にも利用できます。従業員の心身のリフレッシュや生産性向上のためにも、計画年休の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

参考:「年5日の年次有給休暇の確実な取得」わかりやすい解説
https://www.mhlw.go.jp/content/000463186.pdf