企業インタビュー
寒河江市

株式会社山形富士

女性社員ならではの発想で職場環境を改善!
代表取締役
逸見 正光 氏

<会社概要>
〒999-0061 寒河江市中央工業団地36
電話:0237-86-2851
資本金:2,200万円
設立:1982年2月22日
社員数:257名(男136名 女121名) R3.7.28現在

会社の概要について教えてください


電子部品の組立や検査、制御盤製造などを行っています。精密機械の部品を作っているというイメージで、完成体の製造はほんの一部ですね。
弊社は栃木県小山市に本社がある、株式会社中村機器のグループ会社の一つで、グループは弊社を入れて7拠点、8つの法人が一緒に活動しています。
メインの取引先は、スリーエムジャパンプロダクツさんで80数%ぐらい。それ以外に外資系企業2社、国内の企業数社と取引を行っています。

新型コロナウイルスの影響はどうでしたか?

一時期は前年の5~8割までペースが落ちて、一時帰休の形を取らざるを得ない状況にもなりました。昨年(R2)9月以降回復して、すごく忙しくさせていただいています。弊社で取り扱っているコネクタ関係がいろいろな医療機器に使われていることもあり、ボリュームが多くなっています。

女性が働きやすい職場づくりをしようとされたきっかけについて教えてください

以前、コンピューターのハードディスクの部品を作っていた時代に若い女性をたくさん採用しました。その方々がだんだんと習熟してベテランになっていく段階で、結婚や出産を機に辞める方が多かったものですから、せっかく熟練するまで育てた人達を何とかして繋ぎとめていきたいという思いでいろんな取組みを始めていったのがきっかけです。最終的には、ここで働いていることが嬉しいとか、楽しいとか、入ってよかったと言ってもらえるようにしていきたいですね。

具体的な取組みを教えてください

普段からの職場内のサポート体制を整えることによる休みを取りやすい環境づくりですね。病気で1週間休まなければならないことなど通常あることですが、周りのスタッフが休んだ人の分を残業したり、他の工程で忙しくない人にお手伝いしてもらうなどして回しています。産休や育休で休んだから、その分穴が開くということはないように、「この人が抜けたらもう何にもできないです。」といったことがないように職場の担当者には指示しています。女性が多いこともあって、その時々の事情により休みを取らざるを得ないこともあるんですが、みんなでカバーしあっています。
産休、育休で間が空いたときも人員補充しないでやっていますし、戻って来た社員は間違いなく継続雇用しています。間違いなく戻ってくるところはあるんだよということを伝えたうえで休んでもらっています。最初1年で育休の申請をしていたけど、保育所にはずれるかもしれないということで1年6か月にした社員もおります。

男性社員も育児休暇を取っていますか?

実績はあります。去年もおりますし、今も1名、9月まで2~3か月取っている社員がいます。ただ、男性の場合、取ってもらえる環境づくりはしているものの、みんなが取るとまではいかないですね。育休を取得すると収入が100%でなく60数%になってしまうので踏み切れない部分はあるようですね。「1週間でもいいから育休取って奥さんについていてあげたら?」とは言ってはいるのですが。

産休や育休から復帰する社員のサポートなどはされていますか?

最近、1年6か月で2人ほど復帰しています。社内の規定で、仕事を離れた場合、復帰時に基礎トレーニングを受けてもらっています。

このほか、女性が働きやすい職場づくりに向けて取り組まれていることを教えてください

以前から気になっていて数年前に寒河江工場の女性トイレの洋式化を行いました。一方で朝日町の分工場が和式のままで、資金の関係で手をつけられなくていたのですが、今回、寒河江工場の男子トイレと朝日工場の男女トイレの洋式化を行いました。
また、女性リーダーの登用も積極的に行っています。主任、係長、班長にもそれぞれ女性が多く就いていますし、弊社から派遣している東根の事業所の事業所長も女性で180人のトップとなっています。寒河江・朝日は合わせて90人くらいですが、一番上の統括課長も女性が就いています。女性が多いということもあって、女性にリーダーシップを発揮してもらっています。
ノー残業デーも徹底しています。間違いなくノー残業だったかを各部門でチェック、記録を取っています。

会社をあげて資格取得の推進、QC活動※に取り組んでおられるとか

現場によって必要な資格、例えばフォークリフト、玉掛け、クレーンなどの資格取得を推進しています。資格取得一覧表を作って管理するとともに、資格取得計画を作って計画的に資格を取得してもらっています。こうすることで、誰かが抜けても別の有資格者が対応できるようにしています。資格取得のための経費は全て会社が負担しますし、試験は勤務扱いにしています。資格取得の推進は会社の連動目標にも入れておりますので、各部門の管理者はきちんとスケジュールを組んで人材育成を図っています。

また、QC活動にも積極的に取り組んでいます。エクセルの使い方や、ワード、パワーポイントでの表現方法、特性要因図の書き方、ヒストグラムの作り方など勉強会を実施しています。外部の先生と年間契約し、いろいろと指導してもらっています。また、数人から十数人でなるQCサークルを作って年2回ある発表会に向けて活動してもらっています。発表会が近づくと夕方やお昼に集まって自分たちが選んだテーマについてディスカッションしています。社員には、「ここを辞めて、別の会社に行っても間違いなく使えるスキルだよ。」と説明して勉強してもらっています。QC活動は、生産性向上や職場の仕事のやりやすさに繋げていくことが目的です。社員には、「自分が楽になるにはどうするかということを考えてくれ。」と言っています。全国大会にも行ってもらっていますが、弊社の発表の中で、「夕方料理を作るのが嫌になるくらい手が疲れていたが、仕事のやり方を変えたら、手が疲れなくなって、夕方の料理も大丈夫になった。」といった発表をしたのですが、それに対し、「どうして料理の観点から入っていったのですか?」といった質問をされました。

本人は「私たちはいやでも毎晩料理を作らなければいけないんです。」と返したのですが、女性目線ということで評価を受けていました。発表して成績がいいサークルには、最優秀賞、優秀賞といった形で報奨金を出しています。

※ 品質管理に関わる活動全般をいう。

取組みの効果はどうですか

退職する人を大幅に減らすことができたことですね。定年退職者も再雇用でほとんど残ってくれました。今、定年が65歳になりましたが、60歳以降も給料を減らすことなく働いてもらっています。

今後考えている取組みはありますか?

作業環境改善ということで、食堂をもう少しよくしたり、水回りを整えたいと思っています。まだ具体的ではないですが隣の敷地に新工場を作って環境のよい場所を作っていきたいと考えています。雇用待遇の改善については、来年度あたりに更に昇給できたらいいなと思っています。例年に比べて今年度はある程度大きく昇給しました。平均で1万幾らくらいですが、来年度もある程度多めに昇給したいと考えています。また、中村機器グループでは家族手当のような手当を出しているところがないのですが、できれば子ども一人に対して幾らといったような手当を出してあげられればと思っています。

社員インタビュー

茨城瞳さん 2013年入社8年目 QC全国大会出場

私は途中入社で、こちらに就職しました。もともと別の会社で働いておりまして、産休を2回取りましたけれども、実際2人産んでみて、お金の方がちょっと心配だなっていうので転職を考えました。実家が河北町なので、通いやすさから寒河江市近辺で探していました。

何社か受けたんですが、「ちっちゃい子どもさんがいるとなかなかちょっと難しいです。」という感じで断られるところが何社かありました。私の両親と一緒に同居しているということも話したのですが、「急な休みとかちょっとあるよね。」ということで採用に至りませんでした。

山形富士は、面接の際、雰囲気もいいし、困っていることもどんどん聞いてくれて、面接の時からこの会社で働いてみたいという気持ちが高くなっていましたので、採用の連絡がきた時はすごく嬉しかったです。
入社した時は、先輩方に、子育てをした方もいるし、相談しやすい環境ではありました。実際、近所に住んでいる方には、子どもの学校のことについても親身に相談にのってもらったりしています。

QCサークルについては、自分達の作業の中で作業者が困っているということがあれば、少しでも改善したいという気持ちで、活動を進めております。実際に、「作業者が楽になった」とか、「残業時間がなくなった」といったことを確認できたときは、活動をやってよかったなと思いました。

奥山友美さん 2007年入社14年目

高校を卒業して入ったのがこの会社なので、ずっとこの会社一筋です。
2年前に子どもが産まれたんですけど、子どもが急に具合が悪くなって、「迎えにきて」という電話が来ることが結構あって、その時に班長(女性)に相談すると、嫌な顔しないで「私の方で段取りするからすぐ帰っても大丈夫だよ」と言って送り出してくれるのですごく助かりますね。

自分が作業している同じ工程の中にも、同じ様に子どもを持った女性がたくさんいるので、日ごろ話をする中で、情報交換をしたりしながら、すごく心の支えになっていて助かっています。

産休育休も1年取らせてもらい、職場復帰させてもらいました。仕事を与えてもらえているというか、働ける場所を作ってもらってすごく助かっています。復帰の際のトレーニングは、以前にも担当したことのある製品だったので、全く初めてというわけではなかったのですが、トレーニングしてスムーズにできるようになったのでいい制度と思っています。

取材:令和3年7月