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労働時間(時間外労働・休日労働)の規制

2020年5月1日

Q.
勤務先の仕事が多忙で時間外労働も多い。また、休日にも出勤するときがある。長時間労働のうえ、体調がすぐれなくても出勤している状態です。労働時間に関しては一定の規制があると聞きましたが、その内容について教えてください。

A.

1.
労働時間は、労働基準法(以下「労基法」という。)第32条で、原則、休憩時間を除いて1日8時間以内、1週40時間以内と規定されております。ただし、従業員10人未満の小売業等一部業種の事業所(特例措置対象事業所)は、1週44時間以内とされ、また、変形労働時間制を採用している事業所は、一定の期間で規制し、1日8時間または1週40時間を超えて労働させることもできます。

2.
上記1の労働時間(以下「所定労働時間」という。)を超えて労働させる場合は、雇用契約や就業規則に所定労働時間を超えて労働(以下「時間外労働」という。)させることがある旨規定し、使用者と過半数労働組合または従業員の過半数を代表する者との間で労使協定(36協定)を締結する必要があります。

3.
時間外労働(原則、1日8時間、1週40時間を超える労働時間)、法定休日労働(※)については、以下のような規制があります。
(※)法定休日とは、労基法第35条で規定され毎週1回の休日または、4週を通じて4回の休日をいいます。
(1)時間外労働に関する基準
厚生労働省の通達により、「時間外労働の限度に関する基準」が示されており、同基準では、時間外労働を「1月当たり45時間、1年360時間」と定められております。ただし、臨時的な業務が発生した場合等で36協定において特別条項を定めた場合は、上記基準の時間外労働時間を延長して労働させることができます。

(2)時間外労働の上限規制
働き方改革推進法により労基法が改正され、平成31年4月より上記(2)の特別条項においても延長できる時間外労働時間に上限が設定され、以下のように規制されました。(ただし、中小企業は令和2年4月より適用)

① 特別条項による時間外労働時間を適用することができる回数は、年6回以内とする。
② 1ヶ月単月の時間外労働および休日労働をさせることができる時間は、上限を100時間未満とする。
③ 2カ月ないし6カ月間における時間外労働および休日労働をさせることができる時間は、平均1か月当たりの上限を80時間とする。
④1年の時間外労働時間の上限を720時間とする。(休日労働を除く)ただし、時間外労働および休日労働の上限規制は、高度プロフェッショナル制度の利用者が適用除外されているほか、一部の職種が5年間猶予されています。※使用者が時間外労働の上限規制に違反した場合は、罰則があります。

4.
労働時間に関する規制は、上記のほか、使用者には労働時間を客観的な資料等に基づいて管理することや、労働者の健康保持の観点から、一定以上時間外労働した労働者から申し出があった場合には医師等による健康診査の措置を講じなければなりません。