休職者の退職に関するトラブルの回避

2022年9月1日

Q.
若年者の「うつ病」等による長期休職者が増えているが職場復帰ができず自然退職となるケースがみられる。会社として注意すべき点は何か。

A.
休職とは、ある従業員について労務に従事させる事が不能又は不適当な事由が生じた場合に、使用者がその従業員に対し労働契約関係を維持させながら労務への従事を免除または禁止することをいいます。
休職期間は会社が指定した日(発令日)を起算日として、それ以前の欠勤期間や年休を取得した期間は含めないのが通常です。従って休職期間が明確になるものを書面で残して置く事が後のトラブル防止となります。休職は普通解雇事由による労務不提供の期間を会社命令の休職にする事により、解雇を回避する猶予期間とも言えます。

就業規則に規定する休職期間が満了しても休職事由が消滅しない場合は、その満了日を以って定年退職のように自動的に退職(規定退職)となります。
このような事案で発生するトラブルとして、従業員は復帰可能かつ主治医も同様な見解を示している場合があります。この場合は解雇権の濫用とならないよう「客観的に合理的な理由」が必要であり、復職可否の判断として産業医の意見や就業規則に定める解雇事由該当性が争点になりますので注意が必要です。
具体的には、主治医の判断する治癒と会社が求める治癒では程度が異なる場合であり、職場復帰が認められるための治癒した状態とは、単に出社できる・軽作業や事務作業ができるという意味でなく、「休職前に行っていた通常の業務を遂行できる程度に回復した状態」であると明確に定義する必要があります。

その他、休職期間中も労働契約は存続するため、基本的には勤務期間となります。ただし、退職金算定等に当たり、規定(休職期間中の取扱い)に勤続期間に通算しないものと定めれば当該期間を除外する事も可能とされていますので後々のトラブル防止のためにも必要でしょう。又当該期間中の社会保険料・住民税等の会社立替分の控除は当然です。

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