やまがた子育て・介護応援いきいき企業
第41回 株式会社プレステージ・インターナショナル 山形BPOガーデン

従業員数 296名(女性242名 男性54名)平成26年12月15日現在

◎「山形いきいき子育て応援企業」登録について

優秀(ダイヤモンド)企業登録 平成26年9月

<経営理念>
Our Mission
 現場で困っているお客様の立場に立ってサービスを提供します。
・ 責任を持ったサービス
・ エンド・ユーザーが必要としているサービス
・ 最善を尽くしたサービス
・ 誠意、気遣いのあるサービス
・ 最後に「ありがとう」と言っていただけるサービス

Our Vision
 私たちは、社会に必要とされ、クライアント企業から信頼され、エンド・ユーザーから感謝されるソリューションを提供できるグループを標榜し、社会貢献を常に念頭におきながらクライアント、株主、社員と共に繁栄できるグローバルカンパニーを目指します。

<人にしかできない仕事の提供>
  プレステージ・インターナショナル山形BPOガーデン、そのBPOとは、ビジネス・プロセス・アウトソーシングの頭文字だ。端的に言えば企業のコア業務以外を外部委託することを指し、エンド・ユーザーとの電話での接点をクライアント企業に代わって担当することが基本サービス。いわゆるコンタクトセンターの業務をクライアント企業から請け負うというものだ。
 具体的には、損害保険会社、自動車メーカー、自動車ディーラーなどをクライアント企業とするロードアシスタンスサービス。海外旅行者向けに24時間日本語での事故受付サービスやキャッシュレス・メディカルサービスを提供する海外旅行保険クレームエージェントサービス。他にも不動産管理会社をクライアントとする、分譲マンションなどの入居者向けの住まいのトラブル受付業務や、駐車場運営会社、カーシェアリング運営会社などをクライアント企業とし、さまざまなサポートを行なう事業がある。単なる電話の受付だけではなく、トラブル解決までを担う点を強みとしており、24時間年中無休の体制が求められる業務である。

<リボン型の社屋に秘められた想い>
 プレステージ・インターナショナル山形BPOガーデンは、平成25年11月に竣工したばかりの新しいオフィスだ。外観のシルエットからして印象的な建物は、女性設計士を中心とした若手チームが設計を担当。「女性らしさ」と「次世代へアピールできる魅せるオフィス」をキーワードに、∞(無限大)を模した「RIBBON」をコンセプトに設計された。
 山形BPOガーデンのほか、平成15年竣工の秋田BPOキャンパス、そして間もなく稼働する富山BPOタウンという3つの拠点がある。業務上、サービスを停止することは絶対に避けたいという考えのもと、災害が少ない地域という要素も考慮された立地である。いずれも、社員は現地採用を基本としている。

【広報・IR担当の大石有希さん】

「山形BPOガーデンのリボン型の社屋には、この場所で多くの人と人との繋がりが生まれ、女性にいきいきと働いてほしいという想いが込められています」。

随所に女性らしさが感じられる社内

◎「女性の活躍推進」における取組み

<女性のキャリアアップを推進>
  社長の「働く女性を応援したい」という想いが会社方針の一つとなっており、それが企業内託児所の整備や、短時間勤務者の採用など子育てしながら働ける職場づくり、女性の活躍を支援する積極的取組みに繋がっている。そういった働きやすい環境から、社員の8割以上が女性である。採用にあたり会社としては男女の区別はしていない。
 また、管理職として多くの女性が活躍している。マネージャー7名の内3名、スーパーバイザー12名の内5名、リーダー24名の内17名が女性である。「女性にキャリアアップしてもらって、社員の女性みんなを引っ張ってほしい。そして、女性に積極的に管理職を目指してほしい」という大石さんの言葉は、そのまま会社の想いでもあるのだ。
 なお、秋田BPOキャンパスでも多数の子どもを持つママさん管理者が活躍中という。これからますます、頑張っている女性をステップアップさせたいと考えているとのことだった。

<ママさん管理職も活躍中>
 小学生のお子さんを持つママさん管理職として活躍中の大滝千里さんにお話を伺った。
 「マネージャーへの昇格を打診されたときは、正直悩みました。真っ先に思い浮かんだのが、子どもが熱を出したりすれば休まなくてはいけないこと。でも、当社には女性が多く、企業内に託児所もある。また、『働く女性たちに、目標を持って頑張ればステップアップできる、そのモデルケースになってくれないか』ということを上司に言われ、やってみようと決心できました。
 正直、仕事と家庭の両立は難しいです。そこで励みになっているのが、子どもの理解です。先日、『僕も大きくなったらコンタクトセンターで働きたい』と言われて、とてもうれしい気持ちになりました。仕事で家にいないことも多いのですが、頑張る母の背中を子どもなりに見てくれているのでしょう。『ママはかっこいい』、そう言ってくれます。『僕がおやつを買えるのもママのおかげだね』なんて言われると、この道を進んで間違ってなかったと思います。両親と同居しているので、その助けもありがたいですね。家族があって、頑張れるんです。
 進む前には不安もありますが、とりあえず、走り出してみる。考えている間に行動すれば、きっと結果もついてくる。親がそうやって頑張る姿を見て、息子は理解して成長してくれているのだと思います。よく言いますが、やらずに後悔するならやって後悔するほうがいい。私は後悔していませんけど!」 

【ママさん管理職であるロードアシスト事業部ロードアシストグループのマネージャー、大滝千里さん】

◎「仕事と生活の両立支援」における取組み

<2名の女性が育休取得中>
 山形BPOガーデンは開設して、まだ2年に満たないが、既に2名の社員が育児休業を取得中である。休業者は既に企業内託児所に予約を入れており、会社としても復帰してくるのを心待ちにしている。「最大限休んでから復帰し、再び活躍してほしい」と大石さんは話す。

<社員専用の企業内託児所を完備>
 女性社員にも長期に渡って、貴重な戦力として活躍してほしいという想いから、建物内に託児所を設けた。1歳児から就学前の児童までを対象に20人程度を預かることができ、母親の勤務時間に合わせた柔軟な対応を行っている。雨の日にはリボン型の社屋内をお散歩したり、ハロウィンの時期にはお菓子をもらいに行ったりと、社員とちょっとした交流ができることも企業内託児所のメリットとなっている。
 現在利用している社員は、入社と同時に保育開始というケースが多いという。子どもが小さいからという理由で仕事に出ることができなかったママ達が安心して働くことができる。今後、保育士を増やすなど、さらにキャパシティを増やしていきたいという意向もあり、それだけ企業内託児所に対するニーズがあることの証なのである。

社員専用の託児所は20人程度のキャパシティがある

◎「男女ともに働きやすい職場づくり」における取組み

<正社員登用試験を毎年実施>
 山形BPOガーデンにおける働き方は多彩だ。1日実働8時間勤務の正社員と契約社員、1日実働4時間以上・週3日以上の短時間勤務のアルバイトと多様な働き方がある。もちろん、働いているうちに子どもが成長し手が掛らなくなったので、短時間勤務のアルバイトから1日8時間勤務の契約社員へキャリアアップなど、本人の状況を考慮し相談に応じている。
 また、契約社員でもステップアップしたい、そんな社員を対象に、毎年4月に正社員登用試験を実施している。
 平成26年には、20数名のエントリーがあり、その中の約半数の13名が正社員として登用された。

<セクハラ、パワハラの外部相談窓口を設置>
 自分が感じた問題を会社に報告することで、それに対する会社の意見や対策を期待する内部通報制度も整備されている。さまざまな不正行為はもちろん、セクシュアルハラスメントやパワーハラスメントなどの相談も含まれる。社内窓口として部長級の役員のほか、社外にも指定弁護士という窓口もある。相談方法も電話やメール、手紙、投書箱と社員が相談しやすいように、様々な手段が用意されており、風通しのいい職場環境が作られている。
 また、社内に「ご意見BOX」を設置しており、会社をよりよくするための意見を投函できるものである。ウォーターサーバの設置やお弁当を保管できる冷蔵庫の設置は、まさにこの意見が採用された例である。

記名無記名を問わず意見を投函できる

◎「県民の子育て支援・若者応援・地域貢献」における取組み

<スキルアップを応援>
 自己啓発を目的とした、通信教育利用のバックアップがある。業務とは直接関係のない、ペン習字やカラーコーディネイトなども対象となるのが特徴だ。ちなみに受講可能な講座は平成26年度で299コースも用意されている。受講料の4割の補助が受けられる制度である。

<新卒社員対象のメンター制度>
 新卒社員を対象としたメンター制度が取り入れられており、自身の部署とは異なる部署の先輩とマンツーマンで月に2回の面談を行う。勤務時間中に、自身の勤務場所でないところで、自身の業務以外の話をすることがポイントであり、会社全体の話やキャリアアップのこと、プライベートな悩みなど、何でも相談できるものとなっている。
 このほか、入社から約1ヶ月をかけてオペレーターとしての基本的なコミュニケーションスキルを習得するための基本研修がある。配色先部署での業務研修では業務知識を習得し、OJT(実務研修)を通して、それぞれの部署のスキルマップに沿い、より実践的なスキルを段階的に身につけることができる。
 リーダー研修では、優秀なオペレーターを対象に、コーチング等のリーダーへとステップアップを図るための研修を行う。オペレーターを指導・育成するためのスキルを養うことで、スーパーバイザーへの第一歩となるプロセスとなる。そして、日常業務の問題点に気づく力が備わってきたリーダーには、マネージャーを補佐するためのスーパーバイザー研修を実施する。業務の運営・管理に必要な初歩的スキルを学び、人材や収益の管理に対する知識やノウハウの習得を目指す。
 新卒社員として入社してから管理職になるまで、様々な段階で適切な研修が受けられる充実したバックアップ体制が採られている。

 
2015年1月5日