「労働やまがた2月号」今月のひと

株式会社 三和食品
代表取締役 
奥山 茂智さん

昭和40年生まれ。 高校卒業後、東京農業大学短期大学部醸造学科へ進学。
その後、山形県最上町へ戻り、「新しい食文化の創造」を理念に掲げ、お客様に満足・信頼していただける商品の開発・製造に取り組んでいる。

昭和61年設立。本社工場(山形県最上町)、仙台工場、農業法人(株)ベジファクトリーの3つの工場を有し、2018年4月より、大蔵工場(山形県大蔵村)も新たに稼働予定。
従業員数150名のうち8割が女性従業員で、女性の活躍推進や仕事と家庭の両立支援などに積極的に取り組んでおり、「山形いきいき子育て応援企業」の「優秀(ダイヤモンド)企業」に認定されている。

(株)三和食品さんの特徴について教えてください。

 専門スタッフが直接お客様のお話を聞き、ニーズに合わせてゼロから開発するオンリーワン商品の製造を行っています。また、材料を混ぜ合わせるだけで完成する和惣菜用キットや中華用キットなど、地場の素材や信頼できる原料使用のオリジナル商品も幅広く展開しています。
 原料の入荷からお客様のもとへ商品を出荷するまで、すべての工程・業務で欠かさずにデータを記録し、即座に商品の情報を追跡できるように、原料管理・製造管理を徹底しています。

従業員の皆様に力を発揮していただくために工夫されていることを教えてください。

 食品衛生や顧客満足度に関するスキルを上げたいと思い、ISO9000の取得に力を入れました。ただ取得するのではなく、「自分たちのISOのプログラムを作ろう」ということで、1年間従業員全員で勉強し取得しました。
 その後、食品衛生の一番安全で安心なものを追求するために、ISO22000の認証取得にチャレンジし、取得しました。仙台工場の課長がISO認定の審査員の資格を持っているので、「課長を中心にして皆で勉強しながらやっていこう」と、社員の士気向上に繋がりました。
 また、開発チームはもちろんですが、1年に数回関東や関西に出張してもらい、市場調査をしてもらいます。私だけが行っても、皆それぞれ持っているタンスの引き出しが違うので、食べたことのないものを作ろうと言われてもわからないですよね。なるべく同じものを食べてもらって、共通認識を持つように心がけています。

柔軟な働き方も取り入れているとお聞きしましたが、どのような制度でしょうか?

 平成20年度から、従業員の事情に合わせ勤務時間の変更を出来るようにしました。例えば、お子さんの保育園の送迎のために9時~14時の勤務時間にする、という形です。現在は4、5時間の勤務時間だとしても、将来お子さんが大きくなったら、17時までの勤務時間に変更することも可能です。

なぜ、そのような制度を導入されたのですか?

 毎日新鮮な食材をカットしたりしてお惣菜を作ったりしなければならないのですが、100%機械で製造するわけではなく、人の手による検品作業があるので、どうしても人手がかかります。しかし、求人募集してもなかなか人が集まりませんでした。そこで、面接に来た方に聞いてみると、8時~17時ではなく、勤務時間を短くしてもらえると、もっと人が集まると思う、というお話がありました。
 それならと思い、8時~17時という就業時間にこだわらず、『自分の余っている時間を三和食品での勤務に使ってほしい』とお伝えしたら、仙台工場では50名、人材を確保することができました。本社工場でも2名の方がこの制度を利用されていて、人材不足の緩和に繋がりました
 人材不足は、我々食品メーカーにとって大きな課題です。従業員一人一人の生活と向き合い、個別に勤務時間を設定出来るようにしたことで、従業員自らがスケジュールを考えて働く会社になりました。

今後の目標を教えてください。

 人手不足の解消や、65歳以上の方の継続雇用などを目的とし、『座りながら出来る仕事』を作りたいと思っています。そのため、現在、4月から稼働予定の大蔵工場にて、その環境整備を進めています。定年になったから退職ではなく、配置転換をして勤務を継続してもらいたいと思っています。
 また、日本はだんだん縮小していく傾向にあります。その中で、我々食品メーカーとしては、世界をターゲットにしていかなければなりません。建設中の大蔵工場では冷凍庫も作ってもらっていますので、これからは冷凍食品を海外に輸出出来ないかなと考えています。

 
2018年2月1日