「労働やまがた10月号」今月のひと

公益財団法人山形県みどり推進機構
山形県林業労働力確保支援センター
所長 髙橋 幹夫 さん

髙橋さんは、山形市長谷堂にある支援センターにて、林業に係る業務をされています。今回は、髙橋さんの日々のお仕事の内容や今後の目標についてお伺いしました。
山形県林業労働力確保支援センターについて教えてください。

  平成23年4月、林業労働力確保支援センターとして、公益財団法人山形県みどり推進機構に指定されました。林業事業主の雇用管理の改善や事業の合理化、林業への新規就労を支援することを目的として、林業労働力の確保の促進に関する法律(平成8年法律第45号)に基づき、県知事の指定を受けて事業を実施しています。
 実施している事業は、「地域林業雇用改善促進事業」、「林業就業支援講習」、「林業担い手育成事業」、「高性能林業機械導入支援(貸付)事業」、「林業従事者福利厚生支援事業」の5つです。

髙橋さんのお仕事について教えてください。

 大きく分けて「就職・転職したいという林業求職者を対象とした事業」と、「林業事業主を対象とした相談業務」の2つです。
 林業求職者に対しては、雇用状況に関する情報提供や林業就業支援講習を、事業主に対しては、雇用管理改善の相談や助成支援を行っています。

雇用状況について教えてください。

  働きながら林業に必要な知識や資格がとれる「緑の雇用」制度により、比較的若い人が林業に就職するようになりました。
 ただ、県内に林業従事者が千人余りいますが、全体の3分の1、約35%が60歳以上で、若い担い手が少ない状況にあります。

【林業就業支援講習/座学研修の様子】
基礎知識や安全衛生、資格について等の研修を受けます。
「林業就業支援講習」は、どのような内容ですか。

  「林業就業支援講習」は、全国森林組合連合会から委託を受けて行う事業です。「1日コース」「5日間コース」「20日間コース」の3つのコースがあります。
 「1日コース」:林業の現状や仕事内容の説明、就業相談 等
 「5日間コース」:「1日コース」プラス、作業現場の見学や林業体験 等
 「20日間コース」:「5日間コース」プラス、チェーンソー・刈払い機・小型車両系建設機械の資格取得、実地講習
 林業はどのようなものなのか、実際に体験して判断もらい、林業への就業がスムーズに行くことを目的とした支援講習です。

県内で林業に携わっている女性はいらっしゃいますか。

  林業において女性はまだまだ少ないと思いますが、ある事業主の方の娘さんが高性能林業機械を操作されていると伺いました。また、今回の研修参加者にも、若い女性が2名いらっしゃいます。
 女性は一般的に根気強く、丁寧だという話を聞きます。丁寧に仕事をしてくれるので、機械の故障も少ないです。力も必要ないので、機械操作という場面でも女性が活躍できる機会が増えると思います。

【林業就業支援講習パンフレット】
コースごとに描かれたイラストは、支援講習をイメージしやすいものになっています。
どのような相談がありますか。

  「林業のことを知りたい」、「林業に就きたいがどうすればよいか?」、「資格はないが大丈夫でしょうか?」という相談の他に、「山が好きで、体力に自信がある。林業にチャレンジしたい。」というものもあります。
 また、「山を売りたいが、どうしたらいいですか?」、「林業経営をしたいが、どうしたらいいですか?」という個人の方からの相談もあります。

【林業就業支援講習/チェーンソーによる伐倒】
実際に機械を使い、林業体験をします。
相談業務で、心がけていることは何ですか。

  林業への就業について相談される方に対して一番心がけていることは、林業の良いところと悪いところの両方をお伝えするということです。自分の持っているイメージが先行してしまって、実際就業してからのギャップが大きいようです。ですので、そういったギャップをなくすためにも、悪いところもお伝えするようにしています。できるだけ詳しく説明し、就業した後に「イメージと違った」ということがないように注意しています。炎天下での草刈りが特に大変で、自分が持っている林業のイメージとギャップがあるようです。「自分が林業に向いているのか」ということを事前に見極めるためにも、「林業就業支援講習」を活用していただきたいです。
 事業主に対しては、雇用管理改善や支援事業を一緒に協力してやってもらいたいのですが、小規模な零細企業が多く、仕事を確保することに精一杯で、なかなか手が回らないということが多いです。色々な支援や情報提供も、努力していかなければならないと思っています。

お仕事をされていてやりがいを感じる時はどんな時ですか。

 「林業就業支援講習」は昨年始めたばかりですが、昨年講習を受けた9人のうち6人の方が就職され、内4名が林業関係に就職されました。
 「おかげ様で就職できました。支援講習を受けて資格を取ったなら、やる気があるんだということで即採用になりました。」というお電話をいただいて嬉しかったです。そういう報告を聞くと、やったかいがあったなという満足感が得られます。

【林業就業支援講習/製材工場見学の様子】
髙橋さんのリフレッシュ法は何ですか。

 環境が良い職場なので、お昼休みに散歩をします。外に出て、野菜畑やブドウ畑、里山のふもとを歩いたりすると、とても良い気分転換になります。自然を感じて気分転換をすることによって、「林業に興味がある」という相談を受けた際に、同じような感覚でお話できるのかなと思います。

【インタビュー中の髙橋さん】
髙橋さんの趣味や、最近興味のあることは何ですか。

  最近興味が出てきたことは、市民農園での野菜作りです。妻の手伝いでやり始めましたが、今年はキュウリやなす、とうもろこしやネギなど、たくさんの収穫がありました。
 特にキュウリが豊作で、周りの方があまり採れなかったと言っているなか、私のところは400本採れました。妻の手入れと、「天地返し」という土の管理のおかげかもしれません。近所の方に配ったりしましたが、それでも余ったので、毎日色々な料理で出してくれます。
 畑仕事をしていると、「今日は雨が降ったから水やりしなくて良い」とか、「風強いとネットとか飛ばされないかな」とか色々なことを考えます。畑仕事も季節と一緒、天候と一緒なんです。そんな体験を通して、林業に対しても「こんなに風が強い日は伐採は駄目だろうな」とか、「こんな暑い日の草刈り大変だろうな」とか考えるようになりました。常に林業の仕事をやっている人たちと同じ目線で業務にあたりたいなと思っています。

今後の目標を教えてください。

  だんだん担い手確保が難しくなってきているので、「林業就業支援講習」を充実させていきたいと思っています。1日だけの相談会の「1日コース」に関しても力を入れていきたいです。できるだけ皆さんに林業に関心を持っていただきたいと思っています。

公益財団法人山形県みどり推進機構について
公益財団法人山形県みどり推進機構は、山形県における緑豊かな生活環境の整備と県土緑化運動の展開を進めるために設立されました。
 緑化事業の推進と緑化思想の高揚を図るとともに、林業担い手の育成・確保を推進し、潤いと活力に満ちた県土づくりに寄与することを目的とした事業を展開しています。
 
2016年10月1日